レポート

【バナナニュース357号】ブハイ村のジャマルディン夫妻 ~同じ志を持った人々と互恵関係を結ぶバランゴンバナナ~

2024年12月6日

~バナナ担当者小島の出張見聞録⑨(不定期で掲載します)~

多様な作物を栽培している生産者(前号356号参照)として、ジャマルディン夫妻の圃場を視察するため、ミンダナオ島コタバト州ブハイ村を訪問した。

【ブハイ村から圃場までの様子】

ブハイ村には多くのイスラム教徒が暮らしており、アラビア文字が散見される居住地区を抜けた先にジャマルディン夫妻の圃場がある。お二人は素朴な温かい笑顔で迎えてくれた。

ジャマルディン夫人と同じく、村の女性はヒジャブを着用している。

【圃場の作物】

約1ヘクタールの圃場にバランゴンバナナとコーヒーを中心に、ドリアン、ゴム、サトウキビ、キャッサバを植えている。バランゴンバナナの収入を何に使うのか尋ねたところ、「6人の子どもたちを大学に行かせるために使いたい。一番下の子は9歳。まだまだ頑張らなければならない」と回答があった。バランゴンバナナは買取価格が変動せず、頑張って植え付けた分がそのまま収入になるから良いと言う。

<バナナとコーヒー>

ジャマルディン夫妻はバナナとコーヒーをメインに混植している。

ジャマルディン夫妻が「一番下の子はまだ9歳だから、自分たちの余暇などについてはあまり考えられないかな」と話していたら、ドンボスコ財団のベッツィ事務局長が「コーヒーの品質を高めて、パリで開催される大会で勝ちなさい。実際にドンボスコ財団でも生産者2名が表彰されている。品質が高くなれば、バイヤーは自ら買取価格を上げる」と叱咤激励があった。

<ドリアン>(写真赤丸部分)
現地を訪問した際は、ドリアンの木の下、特に実の下には居ないように注意!ドリアンの実は重く、硬い表皮が尖っているため、落下したドリアンに直撃されると大変危険です。

<ゴムの木>

天然のゴムの木から、ゴムの採集は木の表皮を削り、樹液を小さなお皿に貯める。樹液は柔らかい固形になる。

ある程度の量が確保されたら、収穫/出荷を行う。因みに、ゴムの集荷場は馬糞のような臭いがする。生産者にとってはお金の匂いでもあるから、「not bad smell(悪くない香り)」とのこと。

夫妻にとって、バランゴンバナナという化学合成農薬不使用の作物の売り先があることが有難く、「日本の皆さんと繋がれたおかげで、化学合成農薬を使わずに栽培していることで、自分自身にも自然にも優しいこと」とコメントがあった。国も宗教も越え、同じ志を持った人々と互恵の関係を結ぶバランゴンバナナがある。

<バナナ担当者小島が産地で見聞きしてきたことを連載中!>

~バナナ担当者小島の出張見聞録①~

~バナナ担当者小島の出張見聞録②~

~バナナ担当者小島の出張見聞録③~

~バナナ担当者小島の出張見聞録④~

~バナナ担当者小島の出張見聞録⑤~

~バナナ担当者小島の出張見聞録⑥~

~バナナ担当者小島の出張見聞録⑦~

~バナナ担当者小島の出張見聞録⑧~

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