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【PtoP NEWS vol.21 ここが知りたい!】日本の市販エビ

2018年11月19日

スーパーでエビをジッと眺めると、大体がバナメイだと思います。iPhoneが登場した10年前には、まだブラックタイガーが主流でした。

両者の共通点は、「養殖しやすい」こと。ですがここ10年強でバナメイの生産量は一気に拡大し、1999年にはゼロだった東南アジア産バナメイは、今や世界の80%を占めているという事態です。

病気に強く、また泳ぎ回るために養殖池の深さを活用できるバナメイは、瞬く間に養殖エビ業界のスターにのし上がりました(一方のブラックタイガーは池底を歩き回るだけなので、池底の面積分しか活用できない)。

小さいので安価なところもウケたようです。

 

しかし2013年、最大の輸出国であるタイで病気が発生し、世界のエビ供給は激減。価格が暴騰し、「てん屋」からエビ天が消える事態にまで発展しました。

やはり、集約的に給餌する養殖方法にはどこか無理があるようですが、そんなことは表示を見てもわかりません。

 

表示と言えばもう一つ。「製造者(もしくは加工者)」とか「販売者」とか書いてあれば、それは国内で何らかの手が加えられた証拠。エビの場合、大抵は一度解凍されて再凍結されたり保水処理*をされたり、ということです。pH調整剤と書いてあっても、その目的は保水かもしれません。エビ一つをとっても、結構色々なことが見えてきます。

*解凍したときなどにエビから水分が出ないよう保水剤が用いられる処理。

 

若井俊宏(わかい・としひろ/ATJ)

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