<ヨルダン川西岸地区からの緊急速報>イスラエルによる侵略と抑圧の激化

2025年1月30日

ガザ地区での停戦発効後、ヨルダン川西岸地区でのイスラエルによる軍事攻撃がこれまで以上にエスカレートしています。ヨルダン川西岸地区ラマッラーに本部を置くパレスチナのオリーブオイルの出荷団体、パレスチナ農業開発センター(UAWC)より、緊急速報と行動の呼びかけが届きました。

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2025年1月27日

パレスチナ農業開発センター(UAWC)

日本語訳:NPO法人APLA

UAWCは、パレスチナ・ヨルダン川西岸地区(以下、西岸地区)でイスラエルによる暴力が急速に激化していることについて、緊急アピールを出します。ガザでの「停戦」後、イスラエル占領軍は、軍事的戦略ならびに要員を西岸地区に移すと発表しました。それに伴い、イスラエル占領軍は、西岸地区での作戦の範囲と強度を拡大させ、「ナハール旅団」を含む部隊をガザから西岸地区に再配置する計画を宣言しました。これらの動きは、パレスチナの土地に対する支配を拡大し、パレスチナ社会を解体しようとするイスラエルの組織的な動きの明らかな強まりを示唆しています。

進行中の侵略と抑圧の激化は、パレスチナ人の存在を消し去り、入植植民地の現実を押し付けることを目的とした、組織的な民族浄化政策の一環です。強制移住、家屋の取り壊し、重要なインフラを標的とした攻撃を含む行為は、国際法上の人道に対する罪にあたります。

イスラエル占領軍の軍事作戦の激化は、西岸地区のジェニン市ならびにジェニン難民キャンプでの大規模な侵攻に見られるように、ガザと同様の壊滅的な破壊をもたらす戦術を露骨に採用しています。イスラエル占領軍は、空爆、ミサイル、重機を使って、2,000世帯以上を強制的に退去させ、何十人もの死傷者を出し、道路や重要なインフラを故意に破壊しました。ジェニン政府病院を孤立させ、数百人の市民と医療従事者を病院内に閉じ込めたことも含まれます。

こうしたイスラエル占領軍の軍事作戦の激化と並行して、イスラエル人入植者たちも暴力的な攻撃を強めており、ガザでの軍による壊滅的破壊をモデルにし、西岸地区のパレスチナ人の街や村を完全に破壊する「第二のナクバ」を公然と呼びかけています。イスラエル人入植者による暴力は記録的なレベルで急増し続けており、イスラエル政府による完全な免責と支援のもとにパレスチナ人コミュニティを標的にした組織的な攻撃が行われています。「ヨルダン川西岸地区保護コンソーシアム(WBPC)」は、身体的暴行、放火、財産の破壊を含む入植者による暴力事件が2,274件以上記録されていると報告しています。

西岸地区における土地収奪は、歴史的な規模に達しており、この1年だけでも数千人のパレスチナ人が土地を追われ、生活を奪われ、土地との歴史的なつながりを絶たれてしまいました。

イスラエルによる西岸地区の土地収奪は依然として続いており、2024年には、過去20年間で収奪された面積の合計よりも広い土地がイスラエルの占領体制によってパレスチナ人から奪われました。西岸地区の大部分を占め、歴史的にも食料の供給を果たしてきたC地区は、最も深刻な脅威に直面しています。前述のWBPCは、C地区内の195のコミュニティ(58,000人のパレスチナ人)が強制移住の危険にさらされていることを確認しています。このうち39,000人は、入植者による暴力の激化、土地へのアクセスの制限、家屋やインフラの継続的な取り壊しといった差し迫った脅威にさらされています。WBPCの報告によると、これら195のコミュニティからの強制移住により、C地区の18%、すなわち西岸地区全体の11%が、入植地拡張のためにイスラエルに乗っ取られてしまう危険にさらされているといいます。すでに約2,000人のパレスチナ人が、入植地拡張のために没収された自らの土地から強制移住させられています。国際的緊急介入がなければ、さらに数千人のパレスチナ人が家と生計手段を失うことになります。

さらに、検問所、ゲート、道路封鎖地点が急激に拡大していることによって、西岸地区全域でパレスチナ人が移動停止を余儀なくされています。「植民地化・分離壁抵抗委員会」の報告によると、西岸地区全域で898の移動を妨げる障害物があり、特にC地区のコミュニティ間の移動と基本的サービスへのアクセスが制限されています。重要な道路や村の入り口が封鎖され、緊急医療、教育、人びとの生計手段が著しく妨げられています。「パレスチナ赤新月社(PRCS)」は、負傷者や遺体へのアクセスが数時間遅れたり、完全に拒否されたりしているケースを報告しています。このような計画的な隔離によって、パレスチナ人コミュニティは、重要なサービスを受けることも、生活を維持することもできず、窮地に陥っているのです。その一方で、イスラエル人入植者たちは自由に何の妨げもなく、移動し続けているのが現状です。

今後数ヶ月のうちに、イスラエルは、ヨルダン渓谷の中央部と北部を中心とした西岸地区の約30%を皮切りに、西岸地区の大部分を併合しようとすると私たちはみています。この動きを後押ししているのは、パレスチナ人の一斉移住について言及した米国のドナルド・トランプ新大統領にほかありません。私たちはまた、移動制限がさらに厳しくなり、西岸地区内の街、村、難民キャンプが互いに完全に隔離され、パレスチナ人にとって地域間の移動がほぼ不可能になり、生命が脅かされるようになることも予見しています。このことは、パレスチナ人が孤立した居留地やゲットーに住むことを余儀なくさせるでしょう。第二次世界大戦中にユダヤ人が強いられたように––。

私たちはまた、もうひとつの重大な脅威も認識しています。ある国際的な援助団体が、イスラエルの入植政策に同調し、その圧力に屈する形で、C地区を援助資金提供の対象から除外し始めていることです。私たちは、パレスチナの農業セクター全体がC地区に根ざしているということを改めて強調します。この重要な地域を除外した農業セクターへの介入は無意味であり、パレスチナの農民が直面する課題の核心に取り組むことはできません。

緊急行動の呼びかけ

西岸地区におけるイスラエルによる侵略と抑圧の激化は、暴力、強制移住、植民地化を連動させた戦略によるものです。国際社会は、イスラエルの責任を追及し、パレスチナ人の生命を守るために断固として行動すべきです。また、各国は、イスラエルはヨルダン川西岸の占領を終結させなければならないという国際司法裁判所と国連総会による決定(注)が示している法的義務を遵守しなければなりません。

UAWCは以下の通り呼びかけます:

  1. 即時の国際介入:西岸地区における軍事作戦と入植者による暴力の停止の要求
  2. 責任にもとづいた措置:武器禁輸、貿易停止、制裁の実施、国際司法裁判所で継続中の裁判を含む国際的な法的措置の支援
  3. パレスチナ人の不動の抵抗と食料主権への支援:強制移転、破壊、生計手段の喪失に対抗しているパレスチナ人コミュニティに対して、破壊された農地やインフラを再建するための直接的な財政的・物質的支援の供与

西岸地区の状況は悲惨であり、イスラエルによる侵略と抑圧は日々激化していくことが予想されます。私たちは強く求めます、世界中の市民社会、政府、あらゆる組織が連帯を強め、パレスチナ人にとっての正義を求めて動くことを。何もしないことの代償は、失われた命、破壊された地域社会、そして深刻化し続ける人道危機によって測られることを忘れないでください。

注(訳者補足):

  • 国際司法裁判所は、2024年7月19日、イスラエルが続けるパレスチナの占領政策が事実上の併合であり、国際法違反であるとの判断を示し、イスラエルに対し、可能な限り速やかな占領状態の終結、入植活動の即時停止とすべての入植地の撤去の義務があるとの勧告的意見を出した。
  • 国連総会は、2024年9月18日、国際司法裁判所が7月に出した勧告的意見を踏まえ、イスラエルに対し、占領下のパレスチナ領域での「違法な駐留を遅滞なく終結させる」ことを要求する決議案を、日本を含む賛成多数で採択した。

原文(英語)はUAWCのウェブサイトからご覧いただけます。

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UAWCからの呼びかけを受け、ATJとしてどういった具体的な行動が取れるか、検討していきたいと思います。

スムージーボウル

2025年1月21日

停戦合意を受けて、パレスチナからのメッセージ

2025年1月17日

昨年開催したオンラインセミナーにも登壇した現地パートナー団体代表のフアッドさん、サリームさんのお2人からメッセージが届きました。

パレスチナ農業開発センター(UAWC)より

日本の友人の皆さんへ

パレスチナ・ガザ地区における流血と破壊に対して、世界が「もうたくさんだ」と言うのに、15カ月という長い月日がかかるとは想像もしていませんでした。全世界の目の前で繰り広げられたジェノサイドは、あまりにも長く続きすぎました。

ガザの人びとがいま抱いている感情には、深い葛藤があります。一方では、容赦なく続く爆撃に終止符が打たれることへの安堵があります。一方では、奪われた命、瓦礫と化した家、徹底的に踏み躙られた夢と思い出といった、この間に失ったものの大きさを考えはじめると、深く、困難な悲しみに襲われるのです。

多くの人びとにとって、「平和のうちに」嘆き哀しむ時間が訪れるでしょう。もう戻ってくることのない愛する者を数え、かつては生活と喜びに満ちあふれていた住まいが灰と化した廃墟の中を歩くことになるでしょう。その破壊が物語っているのは、兵士たちが新生児を殺すことを堂々と自慢するほどの血に飢えた占領というものの残虐非道さです。

しかし、この瞬間はまた、パレスチナ人の並外れた回復力とスムード(不動の抵抗精神)を浮き彫りにしています。想像を絶する犠牲にもかかわらず、自分たちの土地に深く根ざし、自分たちが土着の土地の守り人であることを自覚しているのです。1月19日に発効が予定されている停戦は、休息が訪れる瞬間ではあるものの、正義が果たされる瞬間ではありません。実際に、停戦が近づいてもなお、イスラエル占領軍は爆撃を続け、虐殺を続けています。悲劇的なことに、こうした凶悪な戦争犯罪の加害者たちは、これまで同様に責任を逃れることでしょう。

停戦は、占領の終結を意味するものではありません。ナクバ(大厄災)は続き、ガザでもヨルダン川西岸でも、占領者による抑圧はさらなる破壊を与えようとしています。しかし、このような残忍さに直面してもなお、パレスチナ人の回復力は希望の光として輝いています。

私たちは、2023年10月に殺害された私たちの大切な同僚であるイスラム・アリさん、そして46,000人以上の失われた命を悼みつつも、今もガザにいる同僚たちが無事であることに特に感謝しています。

世界は今、真実を知っています。私たちは、国際的な連帯、そしてイスラエルによる残虐行為を糾弾するために各地で上がった声に、深く深く感謝しています。こうした努力の集合は、私たちパレスチナ人が支持されるべき存在だということを示してくれました。しかし、まだ終わりではありません。パレスチナが自由になるその日まで、パレスチナのための声をどうか上げ続けてください。

最後になりますが、今後のガザ地区の復興のためには多大な努力が必要であり、私たちUAWCは、すでにそのための計画を立て始めています。皆さんにもぜひご協力いただきたいと考え、近日中にその呼びかけをさせていただきますが、どうか今は、この停戦が維持され、恒久的なものになることを共に祈ってください。

2025年1月16日
ヨルダン川西岸地区ラマッラにて

パレスチナ農業開発センター(UAWC)代表 フアッド・アブセイフ


アルリーフ社/パレスチナ農業復興委員会(PARC)より

2023年10月7日以来続いてきたガザ地区へのイスラエルによる長きにわたる集団殺戮と侵略に対して、3段階の停戦合意がなされたという素晴らしいニュースが飛び込んできました。パレスチナ、特にガザ地区の人々の間に幸せが広がっています。来週の日曜日には停戦が始まると言われていますが、この3段階の停戦合意期間中に違反がないことを願っています。

人道的援助もガザ地区に届き、病院の機能回復や負傷した何万人ものパレスチナ人の国外での治療をはじめ、復興事業が開始されます。

私たちは、この地域に平和、安全、安定した暮らしが根付き、パレスチナ人が政治的権利を得て主権国家を設立し、ひいてはイスラエルによる占領のために過去100年間続いてきた流血が止まることを願っています。

この長い集団殺戮の間、パレスチナのことを心に留め、パレスチナの人々と連帯するために尽力してくださったことに感謝します。今後、私たちはパートナーの皆さまのご支援を得て、人道支援キャンペーン「ガザに希望を築く」の取り組みを強化する所存です。ガザ地区の国境は、人々が強く必要としている援助のために解放されるべきです。

2025年1月16日

アルリーフ代表 サリーム・アブガザレ

<今月のおいしい!③>パペダのレシピ トロロアオイの葉の包み煮(Gedi Gulung)

2025年1月10日

パペダのレシピとしてパプアでも人気のある「トロロアオイの葉の包み煮」をご紹介します。

パプアの人々の間では、全能の神がサゴヤシ、サトウキビ、バナナ、サツマイモなどの生活に役立つさまざまな種類の地元の植物や、蝋燭野菜やトロロアオイなどの代表的な野菜を与えてくれたと言われています。このレシピを見ても納得ですね。

〇材料

トロロアオイの葉、蝋燭やさい、サゴヤシ澱粉(作り方はコチラを参照)、ココナッツ、レモングラス、ニンニク、赤唐辛子、ライムの葉、*植物油、*塩(*購入する材料、他は自家調達)

トロロアオイの葉(Daun Gedi)

トロロアオイは、オクラと同じアオイ科トロロアオイ属の植物。オクラに似た花を咲かせることから花オクラとも呼ばれています。多年生の植物でアジアに広く分布しています。トロロアオイは非常に栄養価が高く、その葉には、鉄、ビタミンA・Cなどが豊富に含まれています。さらに、タンパク質含量も高く(乾燥重量で12%)、貴重な栄養源としてさまざまな料理に使われています。

蝋燭野菜 (Sayur Lilin)

蝋燭野菜はサトウキビ属の一種で、外見はサトウキビに似ており、茎の節の中に詰まった魚卵状の花を食用とします。蝋燭野菜は、パプアの人々が約8,000年前にパプアで最初に栽培を始めた野菜と言われています。今でも伝統的な料理に使われており、市場でも販売されています。

〇調理方法

【トロロアオイの葉で包む】

① ココナッツの実を割り、内側の白い果肉をこそげ取ります。
② トロロアオイの葉を2枚、茎を両端に向けて広げ重ねます。材料は左からサゴヤシ澱粉、すりつぶした調味料、ココナッツ、蝋燭野菜。
③ サゴヤシ澱粉、ココナッツをトロロアオイの葉の上に広げ、その上にほぐした蝋燭野菜を乗せます。
④ 茎が両端に来るように葉を丸めて具材を包み込みます。両端の茎を折り込んで、丸めた葉が広がらないようにレモングラスで縛るとトロロアオイ葉ロールのできあがりです。

【調理する】

⑤ フライパンに少量の水を入れて加熱します(水の量はトロロアオイ葉ロールが浸る程度)。細かく砕いたニンニクとエシャロット、レモングラスとライムの葉、お好みで塩や市販の調味料を加えて味を調整し、沸騰させます。トロロアオイ葉ロールを液に浸るようにフライパンに並べ、中心に熱が十分に通るまで煮ます。
⑥お皿に盛り付けて、お好みでサンバル等の薬味を加えていただきます。

現地取材:義村浩司(カカオキタ社ボランティア)

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◆前回の記事はこちら→<今月のおいしい!②>パペダの食べ方

インドネシア・パプア州の日常食「パペダ」の作り方をご紹介。

【バナナニュース358号】2025年はどうか穏やかな年でありますように…

2025年1月7日

2024年は天候による被害が多い年でした。
2023年夏頃から継続していたエルニーニョ現象により、2024年に入りバランゴンバナナの産地に干ばつや乾燥などの影響が現れ始めました。ネグロス島では雨量が極めて少なく、乾燥状態となっていたため、バナナの株に水不足の症状が出て生育異常や未成熟のバナナが増えました。一方、ミンダナオ島レイクセブでは、雨量は少ないものの、夜は比較的涼しく、夜露などがバナナの生育に良い環境となっていたため、収穫量は増えました。

その後、6月上旬にエルニーニョ現象が終息し、各産地とも干ばつから回復しつつありました。特にネグロス島では、オルタートレード・フィリピン社(ATPI)が施肥用に鶏糞を支援したこともあり、迅速に回復する様子が見られました(写真①)。しかしながら、6~7月に雨季に移行すると、大雨や強風が発生したため、干ばつで弱っていたバナナの株が倒れたり、荒れた天候により収穫作業ができなくなったりして、収穫量に影響が出ました。

写真①:ネグロス島では鶏糞などの施肥の効果もあり、干ばつから迅速に回復する様子が見られていました。

また、9~11月までの3ヶ月間には合計11の熱帯低気圧(後に台風となったものも含む)が次々とフィリピンに上陸・接近し、バランゴンバナナの各産地に豪雨と強風をもたらしました。特に、9月に発生した3つの熱帯低気圧と10月下旬に発生した台風クリスティンにより、主にネグロス島とミンダナオ島レイクセブで、実のついた株が倒れたり、葉が著しく千切れたり、株が根こそぎ倒れたりするなど、大きな被害が発生しました(写真②、③、④)。

写真②:ネグロス西州コッドコッド
写真③:ネグロス東州ボナウォン
写真④:ミンダナオ島レイクセブ

※写真②、③、④:台風クリスティンによりバナナの株が倒れ、葉が千切れました。

さらに、台風によるフィリピン国内船の運航中止などもあり、収穫量や輸入量が大幅に減少し、販売に際しては量目変更や欠品など、消費者の皆様にはご迷惑をおかけしました。
この間、幸いにもバランゴンバナナの生産者とその家族に死傷者は出ていませんが、11月に超大型台風ペピートがルソン島を横断した際は、北ルソンのバランゴンバナナの圃場が荒廃し、パッキングセンターや生産者の家なども被害を受けたため、現在、ATPIでは、長期的な復興と生活再建のため、圃場の整備、株の植え替え、施肥などを計画しています。
そして、12月上旬にはネグロス島のカンラオン火山が噴火しました。カンラオン火山は6月にも噴火し、噴火警戒レベルが高い状態が続いていましたが、2024年で2回目の噴火が起こりました。周辺に住む8万人を超える住民に避難が呼びかけられ、ネグロス西州バイスのバランゴンバナナの産地にも降灰の被害がありました(写真⑤)。

写真⑤:ネグロス島カンラオン火山の噴火により、ネグロス西州バイスで降灰の被害がありました

2024年はこのように様々な天候被害があった年でしたが、2025年は穏やかな年であることを願っています。
生産者たちも、度重なる天候被害に心折れることなく復興に向けて取り組んでいます。
各産地の復興が進み、バランゴンバナナの収穫量が回復した際には、また是非たくさん食べて応援していただきたく、どうぞよろしくお願いいたします!

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よろしければ、このニュースを読んだ感想をお聞かせください。
生産者へのメッセージは生産者に伝えていきます。よろしくお願いいたします。
なお、すべての質問項目に関してご回答は任意です。

食のギャラリー/エコシュリンプ「フライパンで簡単パエリア」

2025年1月7日

食のギャラリー/エコシュリンプ「トルティーヤ」

2025年1月6日

エコシュリンプのれんこんはさみ焼き

2025年1月6日

秋冬レシピ

オンラインセミナー「パレスチナのオリーブ生産者は今2024」アーカイブ

2024年12月20日

12月19日開催のオンラインセミナー「パレスチナのオリーブ生産者は今2024」の動画と使用した発表資料をご覧いただけます。

ご興味・ご関心のある方がいらっしゃいましたら、ぜひ広めていただけると幸いです。

ヨルダン川西岸地区の人びとが置かれている現状について

【報告者】パレスチナ農業開発センター(UAWC)代表 フアッド・アブサイフ氏

データ全体は、こちらからご確認いただけます。


②2023年10月以降のオリーブ生産者の状況と2024オリーブ収穫について

【報告者】アルリーフ社(パレスチナ農業復興委員会PARCのフェアトレード事業会社)

代表 サリーム・アブガザレ氏

データ全体は、こちらからご確認いただけます。

※UAWC、PARC は農民を支援する NGO で、(株)オルター・トレード・ジャパン(ATJ)が輸入してい
るオリーブオイルの出荷団体でもあります。

PtoPNEWS vol.65

2024年12月19日

PDFファイルダウンロードはこちらから→PtoP NEWS vol.65

食のギャラリー/オリーブオイル「ヨーグルトディップ」

2024年12月15日

【バナナニュース357号】ブハイ村のジャマルディン夫妻 ~同じ志を持った人々と互恵関係を結ぶバランゴンバナナ~

2024年12月6日

~バナナ担当者小島の出張見聞録⑨(不定期で掲載します)~

多様な作物を栽培している生産者(前号356号参照)として、ジャマルディン夫妻の圃場を視察するため、ミンダナオ島コタバト州ブハイ村を訪問した。

【ブハイ村から圃場までの様子】

ブハイ村には多くのイスラム教徒が暮らしており、アラビア文字が散見される居住地区を抜けた先にジャマルディン夫妻の圃場がある。お二人は素朴な温かい笑顔で迎えてくれた。

ジャマルディン夫人と同じく、村の女性はヒジャブを着用している。

【圃場の作物】

約1ヘクタールの圃場にバランゴンバナナとコーヒーを中心に、ドリアン、ゴム、サトウキビ、キャッサバを植えている。バランゴンバナナの収入を何に使うのか尋ねたところ、「6人の子どもたちを大学に行かせるために使いたい。一番下の子は9歳。まだまだ頑張らなければならない」と回答があった。バランゴンバナナは買取価格が変動せず、頑張って植え付けた分がそのまま収入になるから良いと言う。

<バナナとコーヒー>

ジャマルディン夫妻はバナナとコーヒーをメインに混植している。

ジャマルディン夫妻が「一番下の子はまだ9歳だから、自分たちの余暇などについてはあまり考えられないかな」と話していたら、ドンボスコ財団のベッツィ事務局長が「コーヒーの品質を高めて、パリで開催される大会で勝ちなさい。実際にドンボスコ財団でも生産者2名が表彰されている。品質が高くなれば、バイヤーは自ら買取価格を上げる」と叱咤激励があった。

<ドリアン>(写真赤丸部分)
現地を訪問した際は、ドリアンの木の下、特に実の下には居ないように注意!ドリアンの実は重く、硬い表皮が尖っているため、落下したドリアンに直撃されると大変危険です。

<ゴムの木>

天然のゴムの木から、ゴムの採集は木の表皮を削り、樹液を小さなお皿に貯める。樹液は柔らかい固形になる。

ある程度の量が確保されたら、収穫/出荷を行う。因みに、ゴムの集荷場は馬糞のような臭いがする。生産者にとってはお金の匂いでもあるから、「not bad smell(悪くない香り)」とのこと。

夫妻にとって、バランゴンバナナという化学合成農薬不使用の作物の売り先があることが有難く、「日本の皆さんと繋がれたおかげで、化学合成農薬を使わずに栽培していることで、自分自身にも自然にも優しいこと」とコメントがあった。国も宗教も越え、同じ志を持った人々と互恵の関係を結ぶバランゴンバナナがある。

<バナナ担当者小島が産地で見聞きしてきたことを連載中!>

~バナナ担当者小島の出張見聞録①~

~バナナ担当者小島の出張見聞録②~

~バナナ担当者小島の出張見聞録③~

~バナナ担当者小島の出張見聞録④~

~バナナ担当者小島の出張見聞録⑤~

~バナナ担当者小島の出張見聞録⑥~

~バナナ担当者小島の出張見聞録⑦~

~バナナ担当者小島の出張見聞録⑧~

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よろしければ、このニュースを読んだ感想をお聞かせください。
生産者へのメッセージは生産者に伝えていきます。よろしくお願いいたします。
なお、すべての質問項目に関してご回答は任意です。

マスコバド糖黒みつで作る♬コーラ風ドリンク

2024年12月4日

食のギャラリー/塩「塩レモン」

2024年11月30日

トマトのピクルス

2024年11月29日

12/19(木)開催 オンラインセミナー「パレスチナのオリーブ生産者は今 2024」

2024年11月25日

1 年以上にわたり続いているガザ地区での大量殺戮。パレスチナのオリーブオイルの産地、ヨルダン川西岸地区でもイスラエル軍や入植者によるパレスチナ人に対する暴力が頻発し、オリーブ生産者は日常的に暴力への恐怖や不安にさらされ、移動も極端に制限された生活を強いられています。


昨年に引き続き、オリーブの収穫シーズンを迎えた現地から、イスラエル占領下の生産者の状況を伝えてもらうセミナーを開催します。無料でどなたでもご参加いただけます。

【日時】2024 年 12 月 19 日(木)19 時〜21 時

【報告内容】
①ヨルダン川西岸地区の人びとが置かれている現状について
②2023年10月以降のオリーブ生産者の状況と2024オリーブ収穫について

【報告者】

パレスチナ農業開発センター(UAWC)

代表 フアッド・アブサイフ氏

アルリーフ社(パレスチナ農業復興委員会PARCのフェアトレード事業会社)

代表 サリーム・アブガザレ氏


※UAWC、PARC は農民を支援する NGO で、(株)オルター・トレード・ジャパン(ATJ)が輸入してい
るオリーブオイルの出荷団体でもあります。
※各報告にはアラビア語・日本語の逐次通訳が付きます。

■参加方法について
・オンライン会議ツール Zoom を利用したウェビナーとなります。
・参加費無料ですが、事前登録が必要です。ご登録は専用フォームからお申し込みください。
・ご登録者はアーカイブが視聴できます。当日参加が難しい場合はご利用ください。

■本セミナーに関するお問合わせ先
お問い合わせフォームまたは、電話:03-5273-8176までご連絡ください。
(株)オルター・トレード・ジャパン広報室(担当:小林、上田)

【共催】株式会社オルター・トレード・ジャパン(ATJ)、特定非営利活動法人 APLA

パプアのカカオ生産者協同組合がんばっています!

2024年11月18日

嗜好品と言えど、今や私たちの生活になくてはならないくらい愛されているチョコレート。日本でも数多くのチョコレート製品があふれていますよね。そこで今回はチョコレートの原料、カカオについて、今年の3月に初めてインドネシア・パプア州のカカオ生産者を訪ねた私の思い出話と共にお届けします!

カカオ豆は農産物。収穫も買い付けも一苦労

チョコレートの姿からは想像がつきにくいかもしれませんが、原料となるカカオ豆は農産物です。収穫毎に味も香りも僅かですが異なってきます。そんなカカオがなる畑を案内してくれたのは、パプア州の州都ジャヤプラから車で2時間ほどのところにあるブラップ村に住むメサクさん。彼は、昨年ブラップ村で立ち上がったカカオ生産者協同組合のメンバーです。メサクさんの畑はしっかり手入れされていることが一目でわかります。木々の間の雑草や茂みを刈ることで、カカオの木が十分な太陽の光を浴びることができるようになり、カビなどの病気から豆を守れるのだそうです。

メサクさんの手入れされた畑

しかしカカオ畑の中はまるで天然のサウナのようで、暑さに慣れていない私は立っているだけで汗ダラダラ、喉カラカラになるような暑さ!おまけにおよそ1ヘクタールの畑には、カカオの他にもバナナやココナッツ、バニラまで盛りだくさんで手入れをするのも大変なはずなのですが、「カカオ畑は子育てと同じで、手をかけないときちんと育たないんだよ」とメサクさんは教えてくれました。

ナタで収穫を体験させてくれたメサクさん

こうして暑い畑の中での収穫作業ののち、集まったカカオの実を割って中のぬれ豆を発酵・乾燥させるのですが、一つの実からとれる乾燥豆はたったの30gほど。チョコレートの原料へと加工するため
には、まとまった数量が必要になるため、生産者たちが日々カカオ畑を手入れすることはとても大切なのです。

収穫だけでなく、豆の買い付けも簡単なものではありません。買い付けも組合のメンバーが担当しています。舗装なんてされていない山道を、トラックや小回りのきくオートバイで村々へ買い付けに行きま
す。生産者たちが手間ひまかけて発酵・乾燥させた豆を買ってくるわけですから、運ぶ途中で雨に濡れるなんてご法度。急なスコールにはすぐさま用意していたビニールシートを被せて豆を守ります。

収穫されたカラフルなカカオの実

協同組合のこれから

ただ、なかなか豆が集まらないことが悩みの種。換金作物としてカカオを定期的に収穫してくれる生産者も増えてきている一方で、基本は加工が必要なカカオよりも、すぐに食べることのできる作物
や果物の収穫が優先だったり、広大な自然の中に点在するカカオ畑での収穫作業は決して楽なものではないため、実がなっていても収穫されずに放置されているカカオ畑もちらほらあり、「もったいない…」ともどかしさを感じることもありました。
ですが、カカオ生産者協同組合のみなさんは一生懸命です。組合の代表であるヤフェットさんは、「カカオ事業を通じて、外から人がきてくれて知り合えることは幸せ。ゆくゆくは組合としての倉庫や事務所をつくりたいんだ」と語ってくれました。また、組合の専務理事であるジョンさんは、なかなか豆を収穫してくれない生産者がいる状況に対して、「生産者が自ら豆を販売したいと思えるシステムであり続けなければいけないし、彼らとの信頼関係を築いていくためにも、しっかり買い続けなきゃいけないね」と話していました。

カカオをとりまく環境は、昨秋ごろから大きく変化し始めました。カカオ豆の主産地である西アフリカでの不作が国際的な価格高騰をもたらし、その影響は遠く離れたインドネシア・パプア州にも及んでいます。パプアの外からきた新しいバイヤーが豆の買い付けに参入し始め、価格は昨年の同時期に比べて3倍強にまで上がっています。

パプアのカカオ産地の風景

初めて訪れた私をあたたかく迎え入れてくれたパプアの人たち。大自然の恵みの中で狩猟採集をしてきた彼らの生活に、この価格競争がどんな風に作用していくのか。あらためて今回のパプア訪問は背筋が伸びる思いとなりました。

菅野桂史(すがの・けいし/ATJ)

【バナナニュース356号】森林保全に繋がるバランゴンバナナ ~ミンダナオ島コタバト州マキララ~

2024年11月7日

~バナナ担当者小島の出張見聞録⑧(不定期で掲載します)~

※【お詫び】印刷版のニュースにて掲載した上記の写真はコタバト州マキララ地域ではなく、コタバト州バニシラン地域の写真でした。写真はありませんが、マキララ地域でも環境保全活動を行っています。

バランゴンバナナはどこの産地でも自然を守りながら栽培されているが、ミンダナオ島コタバト州では特に森林保全を意識して栽培されている。上の2枚の写真は同じ場所を撮影したものだが、左の写真は剝き出しの表土にバナナや果樹を植えたばかりで、右の写真は植えた作物が育った後のもの。剝き出しの表土が緑化していることがわかる。

コタバト州の出荷責任団体であり、フィリピン最高峰のアポ山の中腹にあるドンボスコ財団は、アポ山の森林保全を1つの活動目標にしている。多くの生産者はドンボスコ財団からの支援もあり、バランゴンバナナを含むドリアン、マンゴスチン、ランブータンなど多種多様な作物を植付けている。混植は、フィリピンで多発する乾燥、豪雨、強風などから作物を守るため、圃場の作物が全滅するリスクの低減にもなる。その中で、バランゴンバナナの強みは定期的な買取りと予め決まっている買取価格であり、生産者は一定の収入を確保して、家計の目途を立てながら、地元の自然環境を守ることができる。

生産者が植えている多種多様な作物

・多種多様な作物がある中で、バランゴンバナナの強みは定期的な買取と予め決まった買取価格。一定の収入の確保が可能になり、家計を立てやすくなる。極端な事例だと、出荷までに7年かかるパルカッタという木材の売値が大きく下がり続けており、今年はなんと木1本が300ペソ(約810円)でしか売れなかった。一方では、コーヒーやカカオのように国際価格の高騰を受け、買取価格が上がった作物もある。

・買取価格とは関係なく、多種多様な作物の植付けは圃場の作物が全滅するリスクの低減にもなる。例えば、2023年から2024年のエルニーニョ現象による乾燥/干ばつで、ミンダナオ島レイクセブの地域ではとうもろこしが不作気味だったが、バランゴンバナナは豊作であった。一方で、雨季には豪雨、強風でバランゴンバナナが株ごと倒れ、数量を落とすことがある。

パルカッタ:中央の白い2本の木

コタバト州の緑化 Before/After
生産者が農作物を植付ける前と後の航空写真。BeforeはGoogle Mapの航空写真、Afterは同じ場所をドローンで撮影。

エルマーさんの圃場

シャハミさんの圃場

エミリオさんの圃場
ボビーさんの圃場

出荷責任団体:ドンボスコ財団について
ドンボスコ財団は1994年に設立し、今年で30周年を迎えた(バランゴンバナナは2013年より開始)。バランゴンバナナを含む多種多様な作物の植付けを通して①自然環境の維持・回復、②安定した収入の確保、③企業的な生産様式に対する具体的な代替案の提示をしている。

ドンボスコ財団は生産者支援や広報活動を精力的に行っており、生産者への研修と支援(苗や肥料、道具の供給)、および、売り先の提供、化学合成農薬を用いない病害対策の研究、女性のエンパワーメント活動など、その活動は多岐に渡る。過去には、多国籍企業のプランテーションの進出を防ぐため土地の購入と個人の生産者への分配を行ったり、ドンボスコ財団を含む市民組織や畜産業界の陳情によりコタバト州では農薬の空中散布を禁止する条項を含む環境規定に関する条例が制定に関わったりした。

ドンボスコ財団の敷地は事務所だけでなく、バランゴンバナナの圃場、他作物の研修用圃場、牛やウサギの畜舎、たい肥センター、教会などが併設されている。

今後は、メディテーションセンターや、敷地内に流れている小川を利用した小水力発電設備の設置を計画している。将来的にはソーラーや地熱発電も挑戦する予定。

<バナナ担当者小島が産地で見聞きしてきたことを連載中!>

~バナナ担当者小島の出張見聞録①~

~バナナ担当者小島の出張見聞録②~

~バナナ担当者小島の出張見聞録③~

~バナナ担当者小島の出張見聞録④~

~バナナ担当者小島の出張見聞録⑤~

~バナナ担当者小島の出張見聞録⑥~

~バナナ担当者小島の出張見聞録⑦~

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PtoP NEWS vol.64

2024年10月19日


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