【バナナニュース355号】 レンジで簡単!マグカップバランゴンバナナケーキ🍌

2024年10月8日

バナナは、食物繊維や、抗酸化作用のあるポリフェノールやビタミン、良質な睡眠を促す必須アミノ酸のトリプトファンなど、身体に役立つ成分がたっぷりで、天然のサプリとも言われます。

また、その様々な成分から、スポーツドリンク並みの疲労回復効果があるとも。ご紹介するレシピは、マグカップに入れたバランゴンバナナと材料を混ぜてレンチンするだけのとっても簡単なバナナケーキです。是非、朝食やお子様のおやつにお試しください。お好みでチョコチップやレーズン、ナッツなどを加えても美味しくいただけます🍌

<材料>(1人分)

・完熟のバランゴンバナナ:1/2本~1本(1本の場合は量が少し多くなりますので耐熱ボウルの使用がおすすめです)

・卵:1個

・オリーブオイル(他のオイルでも可):小さじ1

・ホットケーキミックス:大さじ4

・マスコバド糖(他の砂糖も可):大さじ1

<作り方>

  1. バナナを大きめのマグカップに入れてフォークなどでつぶす。(小さな塊は残ってもOK。バナナの一部を輪切りあるいはダイス状にカットしてレンチン前に上にのせたり混ぜたりしてもOK)。
  2. 1.に卵とオリーブオイルを入れて混ぜ、ホットケーキミックスとマスコバド糖も入れてよく混ぜる。
  3. 500Wのレンジで約2分30秒加熱する。生っぽさがある場合は、追加で数十秒加熱する。

※レンジ中はかなり膨らみますので大き目のマグカップの使用推奨です!

バナナ1/2本の場合はふわふわな食感に。1本の場合は冷ましてからお召し上がりください。しっとりとした食感が楽しめます。

\ この他にもバランゴンバナナを使ったおすすめレシピを紹介中です♪ /

【バナナニュース354号】LUFISFAの生産者、干ばつ、台風、大雨、突風にも負けず

2024年9月11日

~バナナ担当者小島の出張見聞録⑦(不定期で掲載します)~

バランゴンバナナの産地の1つであるフィリピン・ネグロス西州シライ市ランタワン地域でバナナを育てているのは、LUFISFA(Lantawan Upland Farmers Integrated Social Forestry Association=ランタワン高地生産者統合型社会林業組合)の皆さんです。

LUFISFAの皆さん(生協の青果担当者を交えた現地視察の際に撮影)

ランタワンは国有地で、LUFISFAのメンバーはフィリピン環境天然資源省(DENR)から国有地に住んで耕す権利を得て、環境に優しい農業や植林などの活動をしています。例えば、バランゴンバナナや他の農作物を栽培する時は化学合成農薬を使用せず、唐辛子などで作った有機スプレーを活用しています。

近年のネグロス島の天候は厳しく、2023年8月頃よりエルニーニョ現象による干ばつがあり、干ばつ状況が終わった直後の2024年6-7月には土砂降りや突風に晒されました。

<生産者エルマーさんの圃場>

切れ切れの葉っぱ:ひらけた場所に圃場があったため、特に風の影響を受け、葉っぱが切れ切れに。葉が切れ切れになると光合成しにくくなり、バナナの生育が鈍化したり、出荷基準のサイズまで育たなかったりします。

LUFISFAのメンバーも「ようやく干ばつが終わり、さぁ、収穫だと思ったのに、次は大雨や突風が来て、バナナの一部が倒れてしまった。干ばつ時に土に残った栄養も土砂降りでは流されてしまう」とコメント。現在は干ばつでバナナの幹が弱っていることもあり、簡単に倒れます。それに加え、乾季から雨季に発生する、皮に赤いアザをつくる赤さびの被害もひどく、廃棄率も上がっています。

<エディさん圃場>

倒れたバナナ①
もうすぐ収穫だったのに。右下の地面に落ちたバンチ(バナナの房)があります。
倒れたバナナ②
赤さびの見学中。赤さびは雨季に起こりやすく、表面がザラザラしたアザになります。

<マーティさんの圃場>

バランゴンバナナは傾斜地を有効利用できて良いと言われます。丘が風よけになり、風の影響も少しマシなようです。

栽培環境は厳しくもありますが、LUFISFAの皆さんのモチベーションは高く、組合委員長のマリベルさんと農業指導担当のレネボイさんは「しっかりバナナの面倒を見て、数量・品質共に良好なバナナを届けたい」と意気込んでいました。

植付け:通常はスコップを使います。台風、大雨、突風に負けませんように。

<バナナ担当者小島が産地で見聞きしてきたことを連載中!>

~バナナ担当者小島の出張見聞録①~

~バナナ担当者小島の出張見聞録②~

~バナナ担当者小島の出張見聞録③~

~バナナ担当者小島の出張見聞録④~

~バナナ担当者小島の出張見聞録⑤~

~バナナ担当者小島の出張見聞録⑥~

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生産者へのメッセージは生産者に伝えていきます。よろしくお願いいたします。
なお、すべての質問項目に関してご回答は任意です。

【バナナニュース353号】山から山を駆けめぐる!レイクセブの農業指導員たち

2024年8月7日

~バナナ担当者小島の出張見聞録⑥(不定期で掲載します)~

ジェンマーク(写真左、25歳)とジェイク(同右、27歳)はミンダナオ島レイクセブの先住民族ティボリ族出身で、出荷団体である高地アラー渓谷有機生産者法人(UAVOPI)の農業指導員として働いている。

主な業務内容は、生産者を訪問し、農業指導と圃場の状況を把握すること。但し、圃場は山間部に点在しており、訪問の実情には驚かされる。例えば、クルビ村ブルラハック集落には生産者が8名おり、標高1,000mほどのクルビ村中央から更に二山を越えなければならない。山奥で天候が崩れやすく予定通りに訪問できないことも多いが、生産者がバナナの栽培で困っていないか確認するためには欠かせない。

ネッド村へはレイクセブのパッキングセンターからバイクで片道5時間。ラムラハック村は歩いても歩いても山の中腹で、どこにいても遠くにバランゴンバナナの圃場がいくつも見える。彼らを含む5人で1,052名の圃場を確認しており、担当圃場を全て周るのに2~3ヶ月かかる。

時間や労力がかかっても、生産者を農業技術で手助けすることと化学合成農薬・化学肥料を使用しないという消費者との約束を守るために圃場訪問が大切なことを理解している。現金収入が乏しいことが多いレイクセブの生産者の収入を増やし、生活の質を上げる一助になるため、やりがいも大きい。2024年上半期はエルニーニョ現象のため乾燥度合が厳しく、その対策を教えると特に経験の浅い生産者に喜ばれた。誰かの力になれることや感謝されることは素直に嬉しい、とジェンマークとジェイクは話してくれた。

ジェンマークとジェイクがUAVOPIに入った経緯

ジェンマークがUAVOPIで働き始めたのは、UAVOPI責任者のシッド神父から、大学の学費の足しにしてはどうかと雑務の仕事を与えてもらったのがきっかけだ。その後UAVOPIが働き手を募集した際にジェンマークが友人のジェイクを紹介した。2人は大学の農業コースを卒業し、現在もUAVOPIで働いている。

左がジェームズ神父、右がシッド神父。2人ともUAVOPIの責任者

農業指導時に少し大変なこと

農業技術の指導において大変なのは、頑固者タイプの生産者で、なかなか説得が難しい。例えば、バナナの花芽は取った方が良いのだが、花芽を取ると樹液が出るため、その樹液がバナナに付いてしまうと心配する生産者もいる。そういった時には、樹液が付いても余程酷い状態でなければ買い取ることを丁寧に伝えるのが彼らの仕事。最も大変なのは、農の経験に長けた生産者とのやり取り。指導員だが反対に学ぶことが多い。そんな時は大切だけど見落とされがちな農業技術を、隙間を狙うように伝えてみるのだとか。

農に長けた生産者・ジャニーさん(左から2番目の赤い服の男性)とクルビ村の生産者たち。今回は、より精度の高い出荷予測を立てられるように新規植付け数をジェンマーク達にしっかり報告しようと相談してくれていた。

レイクセブの景観

・クルビ村

・ネッド村

ネッド村へは道がぬかるまなければ、パッキングセンターから1時間半くらいで着く。ただ山中で雨が降ったらほとんどの場合はその道は使えない。

・ラムラハック村

バナナはどこにあるでしょう?

正解はこちら!

民芸品とアバカ~余談~

レイクセブのクルビ村では、アバカ(一般的にはマニラ麻と呼ばれる繊維作物)を収穫して、民族手芸として機織りをしていた。生地は1mで500ペソになるとのこと。つい「高く売れるね」と発言したところ、「アバカは年1-2回しか収穫できないし、1m織るのに1時間ほどかかり、かつ姿勢もきつい」と説明があった。生産者は気候や市場などの条件に合わせて栽培する作物を選んでいるようである。
因みにアバカもバナナも同じバショウ科なので見た目は瓜二つなのだが、見分け方はアバカの方が幹は細く葉っぱが上を向いている。

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【バナナニュース352号】ラムラハック村のおばあちゃんと孫~ミンダナオ島レイクセブ~

2024年6月27日

~バナナ担当者小島の出張見聞録⑤(不定期で掲載します)~

バランゴンバナナの買付作業には井戸端会議のようなどこか楽しげな雰囲気がある。

ミンダナオ島、ラムラハック村(ロサリさんと同じ村のもう1つの集荷場)

ミンダナオ島、バラグナン村

ネグロス島、マンティケル村

そんな中、集荷場で真剣に買付作業を見ている女性がいた。生産者の妻のロサリ・ジャン・グンパンさんだ。出荷基準内の自分のバナナが買取られているかを確認していたという。

集荷場で真剣に買付作業を見ている様子(右側ピンクの服がロサリさん)

地面に落ちているバナナは、キズ、未熟、過熟、病害などで廃棄されたバナナ。レイクセブは山奥からバナナを運ぶ生産者が多く、どうしても傷が付いてしまうことも。

★馬がバナナを運ぶ様子(当日は雨が降って土がぬかるんでおり、馬は時折滑りながら下山)

キズバナナを箱に詰めて出荷してしまうと、日本に着く頃には箱のバナナ全てが傷んでしまうので、キズバナナを買取ることはできない。規格外バナナは生産者が消費するか、畑のたい肥や家畜のエサとして活用する。

何故真剣に確認していたのか?と聞いたところ、ロサリさんから「馬を借りて、合計4袋分のバナナを運んできたが、馬は2袋までしか運ぶことができず、片道一時間半の道を2往復した。また、往復数を減らすためにも予め品質の良くないバナナは圃場で捨ててきたから」という返答があった。
因みに、重い荷物を運べるおとなの馬を購入できると良いが、価格が高いので、仔馬を購入する人が多い。2~3年を経て成体になるが、その期間は餌代だけがかかる。

彼女は真面目な性格の方のように思われた。畑仕事に関しては、圃場が自宅から遠いこともあり、月に1度、1週間から長ければ1か月間泊まり込みで畑の手入れをみっちり行う。学校がなければ孫たちも圃場に連れて行き、畑仕事の様子を見せている。

3haほどある圃場には、土壌流出を防ぐための竹や樹木があり、バランゴンバナナの他にトルダンバナナとココナッツも栽培。圃場では、バナナの周りの草刈りを行い、しっかりと成長するようにしたり、株元には土を盛り、倒れにくくしたりしている。「農薬は一切使っていないから、安心して食べてほしい。孫にだって食べさせているのだから」とアピールしてくれた。

彼女はバランゴンバナナの収入の一部を孫の教育費に充てている。孫のチニータ・グンパンさんが私立小学校に通っており、バランゴンバナナの定期的で安定した収入はとても助かっているという。ロサリさんから「この子が良い成績をとるのが、私の目標」とプレッシャーの掛かる言葉があったが、チニータさんも勉強は嫌いではない様子。将来の夢などはまだ特に無いようで、「今は色々なことを学び、視野を広げて決めたらいいわ」と周りは温かく見守っている。

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【バナナニュース351号】干ばつに負けずに育てたバナナです

2024年6月4日

昨年8月頃よりエルニーニョ現象が発生しており、2~4月頃よりフィリピン全体で乾燥状態や干ばつが起きています。乾燥により水分が不足すると、バナナの果実の発育が妨げられて品質が低下したり、幹が折れて収穫できなくなったりします。また、酷暑が続くと、バナナの実が黄色くなったり、皮の組織が壊れて黒くなったり赤くなったり、出荷のための品質基準に満たないバナナも多く出ます。

バランゴンバナナの産地は4つの島、8つの地域にまたがっていますが、エルニーニョ現象による乾燥状態や干ばつの影響は地域によって大きく異なっています。

同じネグロス島内でも、通常とあまり変わらない出荷数量を維持できている産地もあれば、出荷数量を大幅に減らしている産地もあります。全体として、開けていて日陰がない圃場や標高が低い産地にある圃場は高温や強烈な日差し、雨不足の影響を受けやすい状況があります。

一方、日陰がある圃場は酷暑や強烈な日差しを免れられることや、ミンダナオ島などの標高が高い産地にある圃場は山間部で比較的気温が低いことや朝晩は霧が出て湿度が保たれることなどから、雨不足などの影響が小さく、生産性を維持できています。

標高の高い地域で午後に霧が出てきた様子

また、産地では日本への安定的な出荷のために頑張って苗を植え付けていますが、干ばつの影響の小さいミンダナオ島などでも、せっかく植えた苗が水不足で十分に成長できない状況や半分ほどダメになってしまうような状況が起きています。そうした中、バランゴンバナナの出荷を担うオルタートレード・フィリピン社では、生産者団体に対して新しく植える株や肥料の鶏糞の支援などを行っています。

なお、ネグロス島やミンダナオ島では猛暑により学校の授業がお休みあるいは午前中のみとなったり、オルタートレード・フィリピン社のスタッフが猛暑で体調を崩したりもしていて、異常気象がバナナ栽培のみならずフィリピンの人びとの生活に様々な影響を及ぼしていることを感じます。

産地による違いはありますが、全体的には日本の消費者の皆さんへの販売に十分な数量のバナナが出荷されています。

干ばつに負けずに育てたバナナ、是非たくさん食べていただけると嬉しいです!

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【バナナニュース350号】材料2つの簡単レシピ!バナナのオートミールクッキー

2024年5月1日

素朴でやさしい甘さがクセになるクッキーです。オートミールを使ったことがない方もいらっしゃると思いますが、つぶしたバランゴンバナナと混ぜるだけのシンプルな作り方で、オーブンを予熱している間にタネの準備ができますので、是非一度お試しください!

たんぱく質や食物繊維、鉄分がたっぷりのオートミールを簡単にお使いいただけます。焼き立てがおすすめですが、冷めたら軽くトースターで温めるとバナナの甘い香りが立って美味しくいただけます。

ザクザクとしているような見た目に反して、しっとりした食感です。お好みでマスコバド糖やカカオニブ、ナッツなどを加えても。オートミールの代わりにグラノーラを使ったりアレンジも楽しめます♪

<材料>

・バランゴンバナナ:100g(完熟バナナがおすすめです)
・オートミール(ロールドオーツ、クイックオーツなど):50g
※バナナが完熟していない場合や甘めがお好みの場合は、マスコバド糖を10gほど加えると甘みやコクが増します。

<作り方>

  1. オーブンは170℃に予熱しておく。
  2. ボウルにバナナを入れ、フォークやヘラを使ってペースト状にする(小さな塊は残っていてもOK)。
  3. オートミールを入れて混ぜる。天板にクッキングシートを敷き、その上にタネをスプーンなどで6mm程度の厚さにして並べる。
  4. 予熱しておいたオーブンを160℃に設定して20~25分、途中、焦げないよう様子を見ながら焼く。

☆トースターでもOK!焼き時間はレシピと同じですが、ご家庭のトースターによって焼き加減が異なりますので、焦げないようご注意ください。

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【バナナニュース349号】動画『バランゴンバナナは友情の証』 ~ネグロス島生産者からのメッセージ~

2024年4月2日

バランゴンバナナの民衆交易発祥の地、フィリピン・ネグロス島の生産者3名をインタビューしました(動画:約11分)。

民衆交易当初からの生産者サミュエルさんと、農家2代目の若手生産者ライリーさんは、ネグロス島の中部にそびえるカンラオン山の麓にある産地ラ・グランハの生産者です。

もうひとりは、ネグロス島の北西部に位置する産地ランタワンの女性生産者ルイサさんです。ルイサさんが所属する生産者協会では多くの女性生産者が活躍しています。

ルイサさん

「バランゴンバナナは生産者と消費者をつなぐ架け橋です。交易にとどまらずそこには友情があり、バランゴンの向上と成功のために一体となっています。」とサミュエルさん。生産者それぞれが思う民衆交易について話してくれました。

ぜひ、ご覧ください!

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【バナナニュース348号】父親としての責務を遂行せよ

2024年3月5日

ATPIスタッフ来日③

前号までの記事はこちらから→

フィリピンからスタッフが来日!① 

フィリピンからスタッフが来日!②

先月号に続き、今号も昨年11月に来日したオルタートレード・フィリピン社(APTI)スタッフのアーウィン・ソラノさんの紹介です。バランゴンバナナの民衆交易では、フィリピンの4つの島から約3,000名の小規模生産者があちこちに点在する圃場で栽培・収穫して、皆様にお届けしています。

山奥でも生産者がいる集落があれば集荷に行くので、バナナの管理は極めて地道で労力がいる作業です。出荷責任者であるアーウィンさんはネグロス島在住ですが、他の島の産地に年5~6回ほど出張して現場を確認する必要があり、品質や物流に問題が発生すれば更に訪問します。それに加えて日本に来ることもあり、1年に3~4ヵ月は家を空けることになります。パートナーは中東へ出稼ぎに出ており、アーウィンさんの出張中は、小学生の子どもたち二人は同居している義父母と一緒に過ごしています。

そんなアーウィンさんは、子どもたちへのお土産選びを「父親としての責務」と称していました。子どもたちと一緒にいられなくとも、遠距離出張だからこそできる重要な家族サービスと位置付けているようです。

一緒にミンダナオ島に行った際に、ほとんど毎晩家族と電話したり、熱心に子どもたちのお土産を選んだりしているのを見ていたので、昨年の来日の際には、不在の寂しさを拭えるような素敵なお土産を自然と一緒に探したくなりました。怪獣のフィギュア1つでも横浜、渋谷、池袋を回り、納得のいくお土産を見つけました。

ATJバナナ担当:小島

【バナナニュース347】農民の厳しさを知っているから携わりたいと思った

2024年1月31日

~フィリピンからスタッフが来日!② ウィニー・ソベラノさん編~

フィリピンからスタッフが来日!①はこちらから

今回は、昨年来日したオルタートレード・フィリピン社(ATPI)スタッフのウィニー・ソベラノさんの紹介です。ウィニーさんは、現在ネグロス島の出荷責任者を担っています。入社から今年で24年目。ATPIで働き始めた理由を聞いてみました。

「きっかけは、学生時代のインターンシップでした。農学部の学生で、コースの一環でインターンとしてバランゴンバナナの現場に入りました。現場スタッフたちと各産地を回り、時には生産者の家に泊まらせてもらい、たくさん話をしました。その経験から、民衆交易の意義に感銘を受けて継続して働きたいと思い、卒業後の就職先として選びました。幸いなことに採用されてバナナの現場担当者になりました。自分も農家の出身です。フィリピンの農民たちの苦労や置かれている状況の厳しさを知っています。民衆交易(※)がどれだけ農民の助けになっているかを知り、自分もそれに携わる一人になりたいと思いました」。

来日中、ウィニーさんと接するなか、現場が抱える厳しさがありながらも、よりよくしていきたいと前向きな気持ちをもって積極的に仕事に向き合っている姿が印象に残りました。

来日中には、消費者との交流会で2016年にネグロス島を訪問したことのある方と偶然再会しました。お互いに名前を覚えており、旧友と久しぶりに会ったかのような二人。当時、現場担当者だったウィニーさんが今ではネグロス島の出荷責任者になっており、「長い時間が経ったんだね!」と互いに再会を喜びあっていました。

※モノ(バランゴンバナナ)を通じて生産者と消費者をつなげ、共に支えあう関係性を創る交易事業

<ウィニーさんの産地での仕事の様子>

車やバイクで入れない産地へは徒歩で向かいます(右側の赤い服がウィニーさん)。
生産者に日本での販売先である生協のカタログを見せて、どうやってバナナが販売されているかを説明している様子。 説明した生産者たちから、もっと栽培管理を頑張りたいので研修をしてほしいとリクエストがありました。
※来日中に出会った消費者の方から、出荷量が減ってしまう時にカタログへの掲載がないため、買いたいけど買えないという話を聞いたとのこと。今後は生産者にそのことも説明したいと話していました。
後日、産地へ戻って、生産者たちにバランゴンバナナの栽培管理についてレクチャー中のウィニーさん。

ATJバナナ担当:吉澤

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【バナナニュース346号】フィリピンからスタッフが来日!

2023年12月27日
学習会で熱弁をふるうアーウィンさん

2023年11月下旬、バランゴンバナナの輸出事業者であるオルタートレード・フィリピン社(ATPI)からバナナの生産管理と出荷を担当するアーウィン・ソラノさんとウィニー・ソベラノさんが来日しました。滞在期間中には、気候変動によるバナナ生産への影響について話をする機会が多々ありました。

「想像してみて!明日収穫できると思っていたバナナが台風によって一夜にしてなくなってしまうんだよ」とアーウィンさん。バナナは木に見えますが多年草の草。実の重みで強風が吹くとすぐに倒れてしまいます。2021年末には大型台風オデットの上陸で、ネグロス島のバナナはほぼ壊滅状態になりました。約1年数ヶ月後に回復し、天候に恵まれ豊作になったと思ったら、今年の7月と8月に再び台風がやってきました。その後も南西季節風の影響で長雨や強風が続き、バナナの成長にとっては厳しい天候が続きました。

特にネグロス島では、バランゴンバナナの売上が主な収入源の生産者もいます。「倒れてしまったバナナを前にがっくりする生産者に、またバナナを育てようと励ますのは心が痛い時がある。でも、再び立ち上がりバナナを育てる生産者たちは本当に強い心を持ち、忍耐力のある人たちだと思う」とも話してくれました。バナナはちょっとユニークな植物で、トモロコシやお米のように、被害後に植え直さなくとも、脇芽がポコポコ生えてくるという特性があります。だから復活しやすいという面もあるかもしれないね、とバナナならではの話もしていました。

生活クラブのデポーを視察。日本にしかない野菜を発見し興味津々でした。赤ちゃん連れの組合員さんがバナナを購入する場面にも遭遇し、うれしくて写真を撮影していたウィニーさん(左)。
イベントにてバナナの宣伝を頑張る2人

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【バナナニュース345号】ブハイ村のアイマさん~ミンダナオ島コタバト州マキララ町~

2023年11月30日

 2023年8月初旬に実施されたバナナ担当者産地視察(通称バナ担ツアー:バランゴンバナナを扱う生協・団体の担当者による産地視察、生産者との交流)で訪れた、ミンダナオ島コタバト州マキララ町のご紹介です。

※同ツアーで訪問した南コタバト州レイクセブもこちらで紹介しています。

  • コタバト州の出荷団体・ドンボスコ財団

 コタバト州マキララ町は、2013年からバランゴンバナナの民衆交易に参加した比較的新しい産地です。出荷責任団体であるドンボスコ財団(1988年組織化、1994年正式登録)は、バイオダイナミック農法を推奨・実践しており、自ら管理する圃場にはバナナだけでなく多種多様な動植物が共存しています。まずはその景色の美しさに魅了されました。

水も豊富で、パッキングセンターで洗浄に使う水は山から引いています。ドンボスコは、多国籍企業のプランテーションが広がり農薬散布で水源が汚染されることを避けるため、ヨーロッパの財団からの助成金で土地を購入し、土地を持っていない人びとに分配、彼らの収入源とすべくバランゴンバナナの出荷を始めました。

 

  • 4年前に大きな地震を経験

 今から4年前の2019年10月、この地域を震源とするマグニチュード6規模の地震が数回発生し、生産者を含む住民、コミュニティ、そしてドンボスコも、地崩れによるインフラや建物の崩壊など、甚大な被害を受けました。今回訪れたのは、地震の後、新たな土地に再建されたドンボスコ財団とブハイ村役場です。

※当時の被害状況や復興支援についての記事はこちらをご参照ください。

地震発生

続報

復興支援報告

地震前のドンボスコ財団の敷地には教会が建っていました。ベッツィさん「何も建ててはいけないことになっているが、神様が許してくれると信じているのでしょう」
道の反対側にはきれいな川が流れていました。

              

  • バランゴンバナナの産地 ブハイ村

 ブハイ村役場(バランガイホール)で出迎えてくれたのは、村長(チカさん・40歳)の妻でマラナオ族出身の生産者アイマさん(37歳)と、バゴボ・タガバワ族の120を超える世帯のリーダーであるインボックさん。

ブハイ村の住民は2,119人、465家族、419世帯(2023年8月訪問時)。村役場はドールのバナナプランテーションを抜けた小高い丘に建っています。昔このあたりはゴムやコーヒーの栽培が盛んで、その収入で学校に行けたそうですが、コーヒーの価格が下がりバナナに切り替わったとのことです。アイマさんの圃場はここからさらに遠く標高が高いマリワナグ集落にあります。

 アイマさん「バランゴンバナナの出荷は地震の後から始めました。点在する3haの土地に1,000株、少しずつ増やしています。以前畑の中にあった小川は地震でなくなってしまったけど、日本からのカンパでもらったホースを使って今は別のところから水を引いているのでエルニーニョ(フィリピンでは雨が少なくなる)でも大丈夫。バランゴンは農薬を使わないし、費用もそれほどかかりません。まだ子どもが小さくてお金がかかるので、苗があればもっと増やしたい!」と意欲満々なアイマさん。「子どもは8人いて、1番上は20歳の大学生、一番下は生後4ヵ月。女の子は2番目の1人だけ。自分は17歳で結婚して高等教育は受けられなかったけど、子どもたちはきちんと卒業させてあげたい」と涙ぐむ場面も。ドールの農薬散布による被害はないか尋ねると、「バナナの圃場は遠いから被害はありませんが、住んでいるところでは以前は夜中の1~2時頃に農薬をスプレーしていて、時々臭くて目が覚めることも。ドールに訴えて今はその時間の散布はなくなりました」。

 ドールがこの地域に来たのは2000年ぐらいで、土地を持っていない人たちはドールで働いているそうです。パッキングや花芽落とし、スプレー散布、花芽への注射などの仕事をしています。

ドンボスコ財団代表のベッツィさんは、「生産者の仕事になるからドールにはいてもらいたいが、オーガニックに移行して欲しいと願っている。以前ドールの上層部の人がドンボスコにきてその風景に驚いていた」と話してくれました。最後にインボックさんが語ってくれた夢は、「ゆくゆくは出荷量を増やして自分たちのパッキングセンターを作りたい。今の2倍ぐらいの量になればできるが、今の量も強風が吹くと半減してしまう」とのせつない思い。インボックさんはいわゆる篤農家で、彼が育てるバナナは1株で1箱作れる(通常は半箱くらい)そうですが、自然環境に委ねる部分が多いバナナ栽培は、なかなか思うようにいかないのが現実です。

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【バナナニュース344号】ちょっと変わり種レシピ・エルビスサンド

2023年11月2日

エルビス・プレスリーが好んで食べていたことから、この名前になったと言われるアメリカ生まれのサンドイッチ。バナナが合うの?と思われる方も多いかもしれませんが、ベーコンの程よい塩気とバナナが意外にも好相性でクセになる味わいです。

<材料> 1人分

・食パン(8枚切り):2枚
・ベーコン:2枚
・バランゴンバナナ:1本
・ピーナッツバター(加糖):大さじ2
・はちみつ:大さじ1/2
・有塩バター:15g

<作り方>

  1. バナナは半分に切り、さらに縦半分に切って4等分にする。フライパンにバター5gを溶かし、弱めの中火で両面に軽く焼き色が付くまで焼いて取り出す。
  2. ベーコンを半分に切り、1のフライパンに入れて中火で熱し、カリッとするまで上下を返しながら焼いて取り出す。
  3. 食パン2枚の片面にピーナッツバターを塗る。片方の食パンにバナナを並べ、はちみつをかける。ベーコンをのせ、もう1枚の食パンでサンドする。
  4. 2のフライパンの油をキッチンペーパーでふきとり、残りのバター半分を入れて中火で熱する。バターが溶けてきたら3を入れて焼き色がつくまで2〜3分焼く。上下を返し、残りのバターを更に入れて、同様に焼き色がつくまで2〜3分焼いて取り出し、半分に切る。

このほか、バランゴンバナナを使ったおすすめレシピはこちらから

【バナナニュース343号】活気に満ちた女性生産者たち

2023年9月29日

2023年8月初旬、2018年を最後にコロナ禍で見送られてきたバナナ担当者産地視察(通称バナ担ツアー:バランゴンバナナを扱う生協・団体の担当者による産地視察、生産者との交流)が5年ぶりに実施されました。

訪問した産地はミンダナオ島の4産地。ミンダナオ島の各産地では、2022年以降作付け拡大が進んでおり、地元でもバランゴン事業が認知度を高め広がってきています。

これまでバナナ担当者がミンダナオ島の産地を訪問した回数は限られ、バートナー団体や生産者たちと直接交流した機会がネグロス島に比べて圧倒的に少ないため、現地側からのたっての希望で今回の訪問が決まりました。その中から、最も標高の高い産地、レイクセブをご紹介します。
レイクセブについての説明はこちらもご参照ください:バナナニュース259号:バランゴンバナナ産地紹介~レイクセブ~)

※この記事では、出荷責任団体UAVOPI(高地アラー渓谷有機生産者法人)が旧名のUAVFI(高地アラー渓谷農事法人)になっています。

今回訪れたのは、バランガイ・ランフゴンのコロンボン集落(標高800~900m)。傾斜がきつく、舗装はされているものの所々穴ぼこのある道を慎重に進んでいった先に、バランゴンの圃場が現れました。写真で見るよりも角度のある斜面にバナナが植えられています。

交流会にはたくさんの生産者が集まり、バランゴンバナナに対する思いや日々の暮らしについて様々なコメントをいただきました。

リーダーのマゲンテイさん(33歳)、妻のアニアさん。2019年からバランゴンバナナを出荷しています。
マゲンティさん「日本とは遠く離れているが家族だと思っている。すごい傾斜地だと思われるだろうが頑張って世話をしている。農作業が好きで、作物が順調に育っているとか、バナナがいっぱい花をつけたとか、毎日楽しみがある。ただ、バナナを運ぶのに人を雇うのでお金がかかる」

アニアさん「道ができる前からバナナを栽培している。昔はサツマイモ、トウモロコシ、キャッサバばかり食べていたが、今は米も時々食べられるようになった。皆さんがきてくれて嬉しい。実際のバナナ栽培を見てほしい。バナナは自分が食べるのにもいい」

長い髪をなびかせたヘルミソニオさん

「お互いの笑顔が見られるのが嬉しい。テレビや映画でしか見たことのない外国人がきた。バランゴンバナナは2013年から始めた。ここの気候にも合っている。1日3回食事ができるし、お米も、たまに売りに来る魚も食べられる」

赤ちゃんを抱っこしたリンリンさん

「このバナナがあって本当に助かっている。現金収入が得られる。女性なのになぜバナナの世話なの?と言われるが、貧しくても、ただ人にお金を恵んでもらうのではなく、私はバナナを栽培して子どもたちを育てていく」

また別の男性からは、「薬を使わずに自力で世話をしている。バナナの栽培方法について教えてほしい」といったコメントもありました。

生産者の女性からの「日本語が聞きたい」というリクエストに応えて、日本からの参加者も一人ひとり日本語で自己紹介をしました。その間ずっとスマホで動画を撮っている生産者もいました。

日本語の挨拶を見つめる生産者たち

天候被害を受けやすいバナナ栽培ですが、皆が頑張って育てたバランゴンバナナがこれからも無事に日本に届き、この先も交流が続いていきますように。

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生産者へのメッセージは生産者に伝えていきます。よろしくお願いいたします。
なお、すべての質問項目に関してご回答は任意です。

【バナナニュース342号】「私たちは良い品質のバナナを育ててるんだ」

2023年8月31日

~バナナ担当者小島の研修出張見聞録④(今後不定期で掲載します)~

ランタワン村の生産者と現場スタッフ

ネグロス西州ランタワン村に圃場視察で訪問した際、生産者が「私たちは良い品質のバナナを育ててるんだ」とにっこりと話してくれた。少しギョッとしてしまった。ネグロス島のバナナの品質は他の産地と比べて良好とは言えず、日本での廃棄率が高い産地だからだ。日本の選別場で撮影した写真を見せて、「品質不良で一部が廃棄されている」と伝えたら、生産者は悲しんでいた。

その圃場視察後、州都バコロド市の露店で売られているバナナを見て回った。皮は極めて黒く、実まで傷みがあるバナナも平気で売られていた。地元のスーパーマーケットで販売されている高価な有機栽培バナナ(ラカタン種)ですら、軸腐れと傷が多かった。フィリピンでは、果実も野菜と同じく栄養摂取の意味合いの方が重視されると現地スタッフも話しており、青果物に対する品質基準は日本より寛容だ。

フィリピン国内消費用のバナナと日本への輸出用バナナを同じ基準で考えても仕方がないが、現地で売られているバナナと比べると確かに生産者のバナナの品質はとても良かった。生産者の言葉を思い出し、複雑な気持ちになり、少し悲しい気もした。「私たちは良い品質のバナナを育ててるんだ」と言うように、収穫時のバランゴンバナナには問題がないように見えるが、消費者に届くまでの長距離輸送と日数の経過で徐々に品質が悪化していってしまう。生産者が自信を持って生産したバランゴンバナナの品質をそのまま消費者にお届けできない歯痒さを感じた。

🍌バコロド市の露店やフィリピンで売られているバナナ

フィリピンの露店やスーパーマーケットでは、生食用や調理用の色々な種類のバナナが売られています。

露店にて売られているバナナ(トルダン種)。1房30円~100円。
露店にて売られているバナナ(トルダン種)。品質が悪めのブース。

露店で購入したトルダン。1本約10円。

房ごと買わなかったから、割高となった。このバナナの購入理由は、皮がはち切れるほど熟していておいしそうだったから。トルダンは甘酸っぱい。

生食用のラカタン種(細い方。最上段)と料理用のサバ種(上から2段目の左側)のバナナ。

ラカタンは有機栽培バナナらしく高価でも軸腐れやダイヤモンドスポットという病害の傷が多く、品質はそこまで気にされていない様子。
個人的にはラカタン種が一番好き。酸味が少なく、甘い。

たぶんラカタン種。店の人に聞いてもよくわからないとのこと(私の英語のせいかも?)。
ネグロス西州の生産者が家庭消費用として取っておいたバランゴンバナナをお裾分けしてくれた。

バナナ担当者小島の出張見聞録①はこちらから~

~バナナ担当者小島の出張見聞録②はこちらから~

~バナナ担当者小島の出張見聞録③はこちらから~

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【バナナニュース341号】マンティケル村から遥々と

2023年7月31日

~バナナ担当者小島の研修出張見聞録③(今後不定期で掲載します)~

トラックの荷台に乗ってバナナの集荷へ

バランゴンバナナの産地、ネグロス島東州マンティケル村は山奥に位置しており、集荷作業が特に大変な地域の1つだ。

山道が険しくなると普通車では通行が難しくなったため、集荷トラックの荷台に乗り、資材と共にマンティケルの集荷場まで運ばれた。

買付け担当のスタッフたちとトラックの荷台に乗って集荷場まで移動

体は跳ねるし、強雨に晒されて、アトラクションの様だったが、この道を生産者や運搬担当者、バランゴンバナナは通るのだと実感した。

道中、突然雨が降り出しビニールシートを雨よけに。上手く雨を外へ流さないと、ビニールシートが雨の重さに負けくぼみを作る。そこにどんどん水が溜まっていく。ビニールシートには小さな穴や切れ目があったので、かなり濡れた。
※産地までの険しい山道を進む臨場感あふれる映像です。画面が激しく揺れますのでご注意ください

集荷作業後、トラックはバナナが高温に晒されないように日没後の午後7時にマンティケル村を出発し、70㎞離れたドマゲッティ・パッキングセンターに到着したのは日を跨ぎ午前1時になっていた。雨で道がぬかるみ、山をゆっくり降りてきたからだ。

その後、バナナはフィリピン国内の2つの港を経由して、約15日間かけて日本の港に到着する。日本の港からも追熟加工施設、リパックセンター、配送センターという長旅を経て、遥々皆さんに届く。

ネグロス島東州のバランゴンバナナは品質上の問題が少なくないが、インフラ状況、フィリピンの高温多湿な気候、青果物の足の早さ、栽培期間中の化学合成農薬や収穫後の防カビ剤・防腐剤の不使用という諸条件の中で、むしろよく耐えているなと荷台に揺られながら率直に思った(※)。

また、市場へのアクセスから疎外されやすい集荷作業が大変な地域こそバランゴンバナナの買い付けはより重要になり、そこから買い取る意義も実感した。

※品質については定期的にフィリピン側とも共有し、少しでも良いバランゴンバナナをお届けできるように努めています。

☆バナナ集荷場の様子☆

▼バナナを担いで集荷場に運んで来る生産者

バナナは、1袋あたり40-60キロくらいある。強雨で地面がぬかるみ、自分は手ぶらでもこけかけながらこの坂を上ったので、こけないか少し心配だった。

▼馬で運んでくる生産者も

その他にカラバオ、バイクで運んでいた。大体3㎞くらい離れた所に家がある人が多そう。

バナナ担当者小島の出張見聞録①はこちらから~

~バナナ担当者小島の出張見聞録②はこちらから~

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【バナナニュース340号】初めてフィリピンでバランゴンバナナを食べて

2023年6月29日

~バナナ担当小島の研修出張見聞録②(今後不定期で掲載します)~

生産者の畑で熟したバランゴンバナナを初めて頂いたのは、初の海外出張の現場研修2日目でした。

とにかく多くの情報を吸収するんだと意気込みながら、バナナの写真を撮り、食味検査のように食べ、少し香りと甘味が強めだったとメモは残っていますが、もっと大切な味わうことは意識の外でした。

次に出会った生産者に再びバランゴンバナナを頂きました。前回の反省から、なるべく主体的に味わうようにしました。美味でした。それと同時に海外に居ながらも、日常感というか安心感を覚えました。担当者としてバランゴンバナナを日常的に食べていたからだと思います。

フィリピンにはマンゴー、ドリアン、ジャックフルーツなど美味しい果物はいくらでもありますが、そのバナナは心和らぐほど味わい深かったです。

初めての産地、
味わえなかったバランゴンバナナ

味は思い入れや自分の食べる姿勢で大きく変わる気がします。バランゴンバナナが美味しいことは勿論ですが、折角ならこのニュースを読んでいる人がより“美味しく”感じられる情報を届けたいです。そう思っていただけるように生産者やバランゴンバナナについて発信していきます。

バナナ担当小島の研修出張見聞録①はこちらから~ 

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【バナナニュース339号】夏はバランゴンバナナのスムージーボウルはいかが?

2023年5月31日

夏にバナナを楽しむ方法としてよくご紹介するのがバナナスムージーですが、今回はヨーグルトをベースに作るスムージーボウルをご紹介します。

牛乳や豆乳だけのスムージーより少しとろみがあります。バランゴンバナナの甘さとヨーグルトの酸味でさっぱり食べていただけます。

【材料】1人分
〇 バランゴンバナナ 1.5本
〇 ヨーグルト 100g
〇 牛乳or 豆乳 50cc
<トッピング用>
バランゴンバナナ(分量外)、季節に合わせたお好みのフルーツのスライス、ナッツ、カカオニブ、ミント、きな粉、ココアパウダーなど

【作り方】
① トッピング用以外の材料をミキサーにかける。
② ①を器に入れ、トッピングの具材を載せる。
★ミキサーがない場合は、ジップ付保存袋に①を入れて、バナナを潰しながら混ぜる。

こんな時におすすめ♪
・あまり食欲がない時の朝食に。バナナ1本食べるより気分が上がります!
・休日の朝食のデザートに。
・夏の子どものおやつに。トッピングも一緒に楽しめます!

【バナナニュース338号】「Gusto ko ug kabayo(馬が欲しい)」 ~北ミンダナオ、バラグナン村~

2023年5月1日

~バナナ担当小島の研修出張見聞録(今後不定期で掲載します)~

村の中央に舗装道路が走っており、その道を進むとやがて山道になり、その山道を登っていくとバナナの圃場に着く。近い圃場は村から徒歩で約20分、遠い圃場は2時間以上かかる。

Gusto ko ug kabayo(馬が欲しい)」。

生産者リコさんが民衆交易を通して叶えたい目標だと言う。リコさんの圃場は遠いため、馬がいれば圃場への行き来がずっと楽になる。馬は圃場の草を勝手に食べるのでその分の餌代はかからず、収穫時には飼い主のそばで待つことができる。馬は10,000ペソ(日本円にして約24,000円)する。頑張ってお金を貯めて5年後くらいには購入したいそうだ。

▼馬に乗ってバナナ畑に向かいます🐴

村ではバランゴンバナナはココナッツに次ぐ、現金収入を得る大切な手段だ。村から市場へ農作物を運ぶ手段がない人が多く、仲買人が来ても買取価格が変動し安く買われる懸念もある。バランゴンバナナは価格が安定しているため、安心して着実に目標を達成する一助になる。

リコさんの場合は馬だが、子どもの学費、車の購入など目標は様々。バナナからの収入を暮らしに必要な日用品の購入に充てる人もいる。バランゴンバナナの民衆交易はそんな生産者約2,800名と繋がっている。

◆バラグナン村の様子◆

 

村の生活区域の始まり。
共同の水場。洗濯や食器を洗ったり、体を洗う人もいる。 
村から続く舗装路から山道へ入り、バナナ畑に向かう。 
山道は傾斜がきつめで、舗装されていないのでデコボコ道。足元が悪いところも。
山道の途中、豚が泥遊びをしていた。
バナナ畑に到着。村から一番近い畑で、徒歩25分くらいかかる。
バナナ畑からの景色。山の中という感じ。
収穫後のバナナは、村の居住エリアまで運ばれ買付される。

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【バナナニュース337号】バランゴンバナナの産地をご紹介 その2

2023年3月27日

バランゴンバナナは、フィリピンの4つの島から届いています。標高や地形、気候が異なる様々な地域で生産されています。

今回は【ミンダナオ島】にある4つの地域のご紹介です。

フィリピン

北ミンダナオ

生産者は先住民族のヒガオノン族で小規模農民です。バランゴンバナナを生産することは、カガヤン川流域の環境保全や、先祖代々の土地や文化を守ることにつながっています。

コタバト州

周辺にある高地栽培バナナやゴムのプランテーション開発から地域の土地や環境を守るため、有機農業を推進しています。バランゴンバナナの生産もその取り組みの一貫です。

南コタバト州ツピ

生産者組合が設立され、地元では無農薬栽培バナナを生産している団体として知られるようになりました。生産者はキリスト教徒、イスラム教徒、先住民族など多様で、バナナの事業が人びとをつなげ、平和構築に寄与しています。

南コタバト州レイクセブ

元々狩猟生活をしていたオボ族やティボリ族が定住し、暮らしの基盤を作っていくためにバナナの栽培、出荷に取り組み始めました。20年以上の取り組みで、定住できる家ができ、病気の子どもが減ったり、子どもが学校に行けるようになりました。

それぞれの地域の特色が産地紹介ページにてご覧いただけます。

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【バナナニュース336号】バランゴンバナナの産地

2023年3月6日

バランゴンバナナは、フィリピンの4つの島から届いています。標高や地形、気候が異なる様々な地域で生産されています。今回は4つのうち3つの島をご紹介します。

ネグロス島

1989年に最初にバナナを届けた産地。「砂糖の島」と呼ばれ、サトウキビ農園が広がります。農園労働者たちが生活の術を自分たちで創るためにバナナの民衆交易が始まりました。ネグロス西州、ネグロス東州、両方に産地があります。

北ルソン

イフガオ族やイゴロット族など様々な先住民族が暮らしており、バランゴンバナナの生産者の多くも先住民族の人たちです。ヌエバビスカヤ州、イフガオ州にバランゴンバナナの産地があります。バランゴンバナナの他に高原野菜や果物、コーヒーなどを栽培しています。

ボホール島

生産者のほとんどが裏庭でバナナを栽培している小規模農民。東沿岸部の生産者は漁業も営んでいます。バナナ以外にココナッツ、切り花、コメ、野菜各種を栽培しています。

\ バランゴンバナナの産地は多様! /

それぞれの地域の特色が産地紹介ページにてご覧いただけます。

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